まずは、何はともあれ、こちらをご覧いただきたいのでございます。
ドイツ全土の女王さま・ロイヤルたちをご紹介
https://blog.nipponip.de/nipponip58special-queen-germany/
ドイツ留学の親族や出張の友人(いずれもドイツ北部)から伝え聞いたところでは、勉強や仕事をするにはいいが退屈な国、という印象を持っていたのでございますが、日本とそっくりではないですか。タスキ文化は欧米から輸入したものなのか、収斂進化なのか、あるいは双方の組み合わせなのでございましょうか。
さらに詳細は、
‥NIPPONipの58号(2020年12月-2021年2月)をご覧いただきたいのですけども、ドイツで日本人滞在者&旅行者向けに発行される同誌は、日本国内では東京近辺や神戸市で開かれるドイツ交流イベントで入手できるそうです。
ですけども、コロナ騒動の渦中ではそれが困難となっていまして、辛うじて鳴門市ドイツ館に置いていただいているものが拝見できます。NIPPONipさんにおかれましては、そのような事情を考慮され、当記事冒頭にリンクしました通り、当該記事のダイジェストをウェブ版にしていいただいているということで、ありがたいことでございます。
昨年末ごろに画像使用の申請を頂戴いたしまして、芸能人や放送局アナウンサーをターゲットとするゴシップサイトならば却下しておりますところ、格式高い情報誌さんとのことで大喜びで承諾させていただいた次第です。
そのような経緯によりまして、「フレッシュあげお」と「湯河原みかん大使」は、その存在がドイツ在住の日本人に知れ渡ることとなりました(直ちにどのようなメリットがあるのかは、説明が難しいですけど笑)。ちなみに、外務省さんの海外在留邦人数調査統計によりますと、ドイツの在留邦人数は2019年10月時点で44,765人と、フランスよりも多いです。平成時代に町村合併してできた市(例えば、愛知県弥富市)の人口と同じくらいの日本人が住んでおられます。
「ドイツの女王」と言っても、もちろん本物の女王様ではございませんで、バイエルン州には王様がおられるのですけども(Wikipediaによりますと、そのバイエルン公は、今もニンフェンブルク宮殿とベルク城にお住まいになられています)、それ以前に当該王族は男系世襲のため、女王様は存在しません。それのそれ以前に社会科で教わりました通り現代は正確にはドイツは共和制でございまして、立憲君主ではございません。
ドイツの女王を理解するにあたりまして、NIPPONipさんにお教えいただいたのが、「ARGE Deutsche KönigInnen e.V.」という団体さんが運営するウェブサイトでございます。
Google翻訳によりますと、
ARGE = Arbeitsgemeinsc = ワーキンググループ
e.V. = eingetragener Verein = 登録団体
‥ですけども、NIPPONipさんでは「ドイツ女王協会」と訳しておられまして、そのほうがすっきりいたします。
また、同協会の会員は地方公共団体、農業団体、観光団体(会社等を含む)などとされていまして、観光催事の企画等は会費や寄付で賄われ、営利を目的としないことで法的な優遇措置を受けておられるようです。
したがいまして、現代日本風には「公益社団法人ドイツ女王協会」と理解するとよさそうな気がいたします。2003年設立とされてございます。
そのドイツ女王協会さんでは、なんと同国内の女王を網羅しておられます。
ARGE Deutsche KönigInnen e.V.
http://www.deutsche-koeniginnen.de/koeniginnen/index.html
上記ページ文字表記では2番目の「i」が大文字の「KönigInnen」となっています。調べましたところ(参考文献 ドイツで試行錯誤中の、性の区別ない表記方法 小林章氏)、
König = 王 King
Königin = 女王 Queen
Königinnen = 女王(複数形) Queens
KönigInnen = 王&女王(複数形)Kings & Queens
「i」を大文字「I」に変えるだけで、結果的に男性(「王」)も含まれているニュアンスにできるらしいです。正しい経緯は上述の参考文献の通りですけども、王s+女王sを意味する新しい単語と理解いたしました。
英語では「They」が単数形で用いられることが一昨年あたりから正式な表現になって既に定着しているとかの伝聞で驚いておるのでございます。1名の先方が男女どちらか分からない場合には、口語では「The person is ..」としメール文面では「She/He is ..」と書いておりましたけども、それが現代では「(1人でも)They are ..」で済んでしまうのですと。ジェンダーフリーが言語文化を変えていく世界各国でございまして、平時より周回遅れの当ブログはまったく付いていけておりません(笑)。
日本ではしかるべき方々を総称するために「ミス」とも「大使」ともすることができないので、仕方なく「日本のすべての公共ミス・ご当地生産物と観光資源のプロモーションガール(ボーイ・大使・アンバサダー・レディ・娘・小町・女王・クイーン・姫・プリンセス・フレッシュ・メイツ・フレンズ・アシスタント・アテンダント・コンシェルジュ・スタッフ・クルー‥)」としておりますけども、ドイツにおきましては、総称は「KönigInnen」(王&女王)で事足りてしまうのでございます。ドイツではしかるべき方々の90%以上のタイトルが「女王」で、ごく僅かに「ミス」や「妖精」や「マーメイド」(ここで「人魚」と訳せないのは、伝承上のマーメイドが2本足の場合もあるため)、男性の「王」が存在する程度です。(ただし、民間ミスコンについては、英米と同じくほぼすべて「Miss」となっています。)
ですけでも、単に「KönigInnen」や「Königin」としてしまっては、歴史上の本物の女王と区別がつかなくなって面倒なこととなってしまいます。「Deutsche königin」でGoogle検索しても、本物の女王しか出てまいりません(笑)。そこで「Produktkönigin (地域の)生産物の女王」という用語が存在し(ニュースサイトでも使われる一般用語化がされ、ハッシュタグでも使われています)、Wikipedia(de)にも、その定義と歴史が説明されています。これによりますと、アメリカが発祥のようでございまして、1930年代には「Rose Queen」が存在したとなっております。
アメリカでは、その後の淘汰や民間ミス化が進んだようでございまして、現存して数も活動も旺盛なのは「Dairy Princess」です。日本で牛乳や乳製品を専門に宣伝するものは「みやぎミルクレディー」のみ生き残っておりまして、他には「いわて純情むすめ」が酪農催事で「Dairy Queen」に変身するくらいでございまして非常に限定的となっておりますけども、ネットで拝見しますところ、アメリカの酪農王女は地域数も多く活動も賞金額も派手です。
ドイツでも、同国に多数存在するご当地醸造製品宣伝系の「ワイン女王」「ビール女王」や特定催事宣伝系の「フェス女王」については、強力スポンサー会社の影響を受けた民間ミス色が強く、境界があいまいなものが存在します(すべてではありませんけども)。
日本と同じで、年齢等の条件は、ドイツでも各ご当地で様々です。民間ミス色が強くなるほど応募資格がうるさくなる傾向がございます。それに伴って賞金賞品が豪華になってくることも、日本と同じでございましょうか。あと、なぜか眼鏡着用率が高いです。いえ、これは日本の眼鏡着用率が異様に低すぎるから感じるのではないでしょうか?
ちなみに、アメリカでは「Queen」はあまり用いられず、1人の「Princess」と1人以上の「Alternate Princess」(プリンセス代理)の構成が多数派となっているみたいです。対するドイツは「Königin 女王」と「Prinzessin 王女」の構成が主流となっております。日本でも「ミス」と「準ミス」、「ミスのグランプリ」と「平のミス」のような格付けは各地に残ってございます。
ところで、日本で最も使用される「大使」のタイトルは、ドイツではどうなのでしょう?
例えば「Als Botschafter ihrer Heimat ..」(彼女たちのお国の大使として‥)という表現はございまして、「Botschafter」が英語の「Ambassador」に該当する語だと思います。つまり、紹介や募集告知の文脈におきまして、本来の「偉い人の代理となる人」、あるいはそれから転じて「対外的に地域や当地の産業界を代表する人」という意味では使用されます。しかし、タイトル自体が「女王」の代わりに「大使」となっているものは、現時点は恐らくドイツには(欧米にも)存在しないのではないかと存じます(あんまり自信はないですけども)。
いずれにいたしましても、ドイツ国におきましては、公益法人さんが一括網羅されているのは素晴らしいことでございます。以前の記事にも触れました通り、日本には当該国のすべての公共ミス・ご当地生産物と観光資源のプロモーションガール(ボーイ・大使・アンバサダー・レディ・娘・小町・女王・クイーン・姫・プリンセス・フレッシュ・メイツ・フレンズ・アシスタント・アテンダント・コンシェルジュ・スタッフ・クルー‥)を網羅している公共性の高い団体は存在しておりません。非営利ですけどもいかんせん公共性が著しく低い(笑)弱小ブログの当サイトが唯一でございます。そのため、日本の公共プロモーションガール全員集合などというイベントは夢のまた夢でございます。
ただ、NIPPONipさんによりますと、人口8350万人のドイツ(ドイツ語圏のイタリア南チロルを含む)には女王(王を含む)が150件以上あるそうですけども、日本では2020年末で430件で、コロナ過剰防疫禍の余波で2021年に相当数が廃止されるとしても、公共ミス密度(?)は日本が倍以上はありそうでございます。
さて、冒頭のNIPPONipさんの特設サイトで詳報しておられる「バイエルンのはちみつ女王」に戻りますけども、その主催は、「Landesverband Bayerischer Imker e.V. (LBVI)」と「Verband Bayerischer Bienenzüchter e.V. (VBB)」の2団体となっておりまして、困ったことにGoogle翻訳ではどちらも「バイエルン養蜂家協会」となってしまいます。
この記事では、前者を「バイエルン州養蜂家協会」、後者を「バイエルン養蜂家協会」とさせていただきます。メインの主催である前者は結構な都会に所在し、後者は相当な田舎にある模様でございます。いずれも、日本の農協に表面的には全く似ていないのですけども、取り組んでおられる活動内容については、知れば知るほどに相似点が出てまいるのでございます。
主催2団体双方の移動には公共交通機関で4時間半、自家用車でも3時間半くらい要するような距離がございまして、バイエルン州はとっても広いです。他州ナンバーのメルセデスをヘッドランプ点滅で蹴散らして、BMWの7シリーズあたりでアウトバーンを疾走すれば、2時間半くらいで済むのかも知れませんけども(笑)。
ドイツは人口当たりの医師数や急性期病床数などのトータルで概ね世界一の医療充実国でございますが、パンデミックによる被害は日本の数十倍深刻で、2020年は多くの大型イベントが中止されていました。(なお、ミュンヘンで行われる本物のオクトバーフェストも、2020年に続き2021年も中止決定との悲報が届いております。)
しかし、オンラインイベントだけではなく、リアルな地域イベントは実施されていたようでございまして、イベント出展ブースでの販促、マルシェでのプロモーション、慈善事業の企画、品評会での進行支援、生産家を訪問しての勉強会参加などなど、ロックダウン対象の期間と地域以外では、きちんと対策を行ったうえできちんと実施されていたようでございます。(それでも活動機会が例年より少ないため、任期が2年間からもう1年延長されるそうです。過去の投稿によりますと、パンデミック前の先代は、週2-3件、年間150件の招待オファーがあっただとか、はちみつ女王の人気恐るべしでございます。)
Google翻訳で読み進めるほどに、「就任」とはせず「即位」とか、2年間の任期と言わず「2年間の統治」とか、女王と王女(と王)を合わせて「王族」などの言い回しにも萌えておりますけども、何と言ってもお衣裳に激しく取りつかれた当ブログでごさいます。
Dirndl(ディアンドル)と言う古き良き民族衣装は、日本ではかすりの着物に相当するのかも知れませんけども、バイエルン州の女王さまの正装は、ほぼすべてこのディアンドルのお衣裳となっていそうです。かなり奥が深く種類も豊富なようですけども、飲食店の店員さんの制服レベルの物とは少々異なりまして、NIPPONipさんによりますと、繰り返し丁寧に補修され、何代にも渡って受け継がれてきた由緒ある品が女王さまに供されるとこのことでございます。
そうそう、同じはちみつ女王ですけども、こちらはオーストリアを挟んで反対側のイタリアのドイツ語圏「南チロルはちみつ女王」。
下のお写真ですと、向かって左側です。
ラテン系の文字が表記されるタスキは、99%右肩装着でございます。しかも、その1%も単なる装着時の間違いではないかと察せられるものです。ところが、この南チロルはちみつ女王さんは、なぜか近年に左肩装着に意図的に変更しておられる模様でございます。
他の女王さんに合わせて右肩装着にするケースも存在しますけども、白地の新デザインとなったタスキを用いられるここ数年間は、左肩装着を厳守しておられるみたいなのです。
理由調査はド素人カメラマンの宿題となる予感。
他にもたくさん興味深い事柄があるのですけども、追って折を見てお伝えして参ります。申し遅れましたが、このような勉強をさせていたく機会を与えてくださいました NIPPONipさんに深くお礼申し上げます。ありがとうございます。