募集要項にある年齢条件の表記

 年齢の条件は、各地のミスコンやキャンペーンレディ等によってまちまちですが、一番多いのは「4月1日現在で18歳以上」というものです。

 少数派の事例として以下のものを見つけました。「〇年〇月〇日から〇年〇月〇日までにお生まれの‥」というパターンです。
ミスりんごあおもり募集要項(青森県りんご対策協議会 2015ミスりんご募集要項より)

(おことわり)同協議会では単に「ミスりんご」とされていますが、ミスりんごは横手市(秋田県)にも存在するため、当サイトでは「ミスりんごあおもり」と表記します。

 さてここで問題です。(私立中学校の入試問題なんかに使えそうです 笑)
 昭和63年4月1日~平成8年3月31日までにお生まれの‥
 この条件を、以下のような表現で記述したとき、(A)、(B)、(C)に当てはまるものを述べよ(5点
 平成27年「 (A) 」現在「(B)」歳から「(C)」歳までの‥ 

 ちなみに、私は自分で問題を作ったのに即答できませんでした(爆)
 答えは少し下のほうで‥。

 公共団体や公共団体との関わりが強い団体の事業年度は、4月に始まって、3月に終わります。
 したがいまして、ミスりんごあおもりの募集要項のような「〇年4月1日から〇年3月31日までにお生まれの‥」というような表記方法は合理的であると、私個人は思います。

 ところが、面白いことに、ときとして以下のような不整合が起こります。

 和歌山には、県の観光キャンペーンスタッフ(きのくにフレンズ)と、和歌山市の観光キャンペーンスタッフ(アゼリア)が存在します。

きのくにフレンズ(和歌山県)(広報ひだか きのくにフレンズ募集要項より)

アゼリア(和歌山市)(和歌山市観光協会 アゼリア募集要項より)

 これらは、ともに任期1年で任期開始が4月1日で面接地も和歌山市であり、和歌山市内在住・出身であれば双方に応募できることから「併願者」も相当数おられるのではないかと。

 県の「きのくにフレンズ」は「3月31日現在」。
 市の「アゼリア」は「4月1日現在」。

 架空の事例を考えてみます。

 和歌山工業高専の3年生の同級生のミカン子さん(17)、パンダ子さん(17)は、同じ和歌山市出身で大の仲良し。二人とも4月から和歌山大学に編入学がすることが決まったので、元々地域に貢献したいと考えていたことから、揃って「きのくにフレンズ」に応募しました。

 ところが、ミカン子さんは2次審査に進んだのに、パンダ子さんは年齢制限を満たさず、書類選考を通りませんでした。

 このような事態は、ミカン子さんの誕生日が3月31日、パンダ子さんの誕生日が4月1日であった場合に起こり得ます。

 日本の学校教育法は、「4月1日に6歳ならば小学校に入学せよ」(超意訳 笑)と定めているので、4月1日生まれの人は、同年の4月2日生まれの人よりも1年先に小学校に入学します。

 それゆえに、3月31日生まれのミカン子さんと翌日の4月1日生まれのパンダ子さんは同級生なのですが、パンダ子さんのほうだけは3月31日現在ではまだ17歳なので、「きのくにフレンズ」の年齢条件を満たさなかったということです。
 かわいそうなパンダ子さん‥。「アゼリア」に応募すればよかったのに。
 

 
 お待たせしました、冒頭の「ミスりんごあおもり」の問題の回答です。
 昭和63年4月1日~平成8年3月31日までにお生まれの‥
 は、
 平成27年 3月31日 現在 19歳から 26歳までの‥ 
 に等しいのとするのが正解です。
 ちょっと怪しいので検算してみましょう。

                 2015年3月31日現在 4月1日現在
昭和63(1988)年3月31日生まれ=NG  27歳        27歳
昭和63(1988)年4月1日生まれ=OK  26歳        27歳
昭和63(1988)年4月2日生まれ=OK  26歳        26歳
   (中略)
平成8(1996)年3月31日生まれ=OK  19歳        19歳
平成8(1996)年4月1日生まれ=NG   18歳        19歳

 合っていますかね?
 

 
青森県産リンゴをPRする「ミスりんご(ミスりんごあおもり)」の平沼かなこさん(「北海道新幹線開業に向けた食・観光プロモーション」JR大宮駅)
 写真は、青森産りんごと観光キャンペーンを行う「ミスりんごあおもり」平沼日菜子さん。まだ年齢下限の19歳。
 大宮駅(さいたま市)での「北海道新幹線開業に向けた食・観光プロモーション」にて。

 北海道新幹線の駅が、北海道内だけでなく青森県内にもできることは、つい忘れられがち。青森県としてはしっかり強調しておきたいところですよね。