有田みかん販促イベント(正式名称・主催不明)
日時 2018年11月24日(土) 時間帯不明
場所 ジャパンミート生鮮館ひたちなか店(ジョイフル本田ひたちなか店内)
交通 勝田駅(JR常磐線)茨城交通バス中央研修所・ひたち海浜公園方面行き ジョイフル本田西停歩2分
国営ひたちなか海浜公園の少し手前、ショッピングモールの中でしかるべきことが行われるようであります。
ここに、しかるべき方がお出ましになられています。
2018(6代目)有田みかん大使 菊地亜梨紗さん
その菊地さんのtwitterから引用させていただきますが、揃いのブルゾンをお召しになった強力な助っ人がおられました。下の左の写真に写っている方々です。
11/24はジャパンミート ひたちなか店さんで販売促進活動でした🍊
有田みかんをたくさんの方がお買い求めいただき、うれしかったです🙂💕
ありがとうございました✨#有田みかん pic.twitter.com/MeXqbcDgPL— 菊地 亜梨紗 (@a66pyon) 2018年11月27日
お聞きしましたところ、早朝に有田川町(和歌山県)を出発、関西空港から羽田空港へ。そしてもう首都圏とは言い難いような北関東のスーパーマーケットを回られ、さらにこの日のうちに和歌山へ戻られると言う、まさに怒涛のスケジュールをこなされるということでした。
JAありだ職員の方かと思いきや、何と、みかん農家の方だということで驚きですが、みかん収穫最盛期の家族総出でてんてこまいの時期に合間を縫ってこのような販売支援まで行われるとは、まこと頭が下がります。その柑橘生産者魂、しかと受け止めさせていただきました。
現在はミカピーのロゴとともにブランドが統一されつつある「有田みかん」ですが、農協(JAありだ)の影はやや薄く、古くから独自の販路を持っていた「選果場」が主役となっています。それゆえ、有田みかん大使の主催は単位農協そのものではなく、県域の連合会でもなく、JAありだ管内の選果場の集まりである「JAありだ共選協議会」となっています。
写真を拡大していただきますと、菊地さんの後ろに積まれた箱に、オレンジ色の文字で「AQ総合選果場」と印刷されているのが分かると思います。
(お店の許可を頂いて撮影しています。値札へのモザイク処理は不要であることを確認済み。)
関東で比較的よく見られるのは、第一と第二がある「AQ総合」と「AQ中央」の有田みかんだと思います。加えて、京阪神にお住まいの方は広川町の「AQマル南」や有田市の「ありだ共選」も見かけると思います。(補足:「AQ」が付いているのがJAありだの純粋な直営の選果場です。)
さらには、農協の選果場のほか、主に生産者が出資し会社化されている民間の「有田みかん」を名乗る選果場もまた有田みかん大使に「出資」していることになります。極端な例では「マルケン(マル賢共選)」のように宇都宮と宮城の青果会社とだけ取引している選果場もあるようで、AQ総合とともに東・北日本を攻める選果場は、それぞれの販路の青果会社と取引がある超お得意先の小売店に有田みかん大使を差し向けることを望むことになると想像することができます。
それゆえ、有田みかんの箱買い客で溢れ返る首都圏の最果て、ひたちなか市郊外のお店に有田みかん大使さんが降臨されるのであります。ここで売られる大量のみかんを選果場に送り込む生産者さんが遠くから販促に来られる所以もまたしかりなのでありましょう。
この有田みかんはどこの選果場から来たのか? とか確かめながら購入するのはオツなものでして、
‥横浜市中区のスーパーマーケット、オーケーストア新山下店さんの果物売り場では、こちらの津野さんがお持ちのパッケージに印刷されていますが「AQ中央」のものでした。売られていたものはやや小ぶりに感じましたが、お買い得。
OKストア新山下店の有田みかんですが、最終的には10kg箱が80ケース以上売れたらしく大盛況でした😊
本当にありがとうございました🍊💓 pic.twitter.com/PT5UasHVsL
— 津野 紘菜@12月16.23.29日撮影会 (@0701aridamikan) November 18, 2018
ここでは有田みかん大使のレジェンドさんが地元のカリスマ宣伝販売員さんとのタッグで、狭い売り場でかつ他の産地のみかんが横に陳列されるという逆境の中、80箱ですか? なんと素晴らしい。やって来た有田みかん大使が「大当たり」のオーケー新山下店さんも笑いが止まらんでしょう(絶え間ない陳列補充やら次の日に売る予定だった分まで底をついて慌てて発注したりやらで大変だったでしょうけど笑)。
もちろん、量だけでなく、値段もまた重要な指標となるようでして、単純に言い換えると「他の店よりも高い値段で売ることができる能力のあるお店」もまた大切なお店ということになろうかと思います。
横浜市青葉区の富裕層・贈答向けを扱うこちらのお店、ハヤシフルーツ青葉台店さん(東急ストア内)では、袋入りの廉価版のみかんは「AQ中央」、トレーや箱入りの「特選」は「AQ総合」と使い分けているようでした(こちらは県域の連合会である和歌山県農さんがご担当でしたので、それら以外の選果場のものの組み合わせとなる可能性もあると思います)。いろいろあるんだなあとこれまた勉強させていただいた次第です。
しかし大きくて一般的には糖度的には不利なはずなのに少量が選抜される糖度抜群の「特選」は凄い。まさに後味が持続するボリュームと甘さで、この時期はフルーツパーラー屋さんのスイーツの部品にシロップ漬けの缶詰みかんはもういらないでしょうね。今年は台風21号が実を落としまくったと伝えられえているので、そんな中でも残った大粒は価値が上がります。
で、冒頭のジャパンミートひたちなか店さんに戻りますと、
有田みかん大使は、前の記事で触れました通り昨年の5名から7名に増えましたが、増員分の2名分は首都圏採用に充当されています。こちらの菊地さんも首都圏採用で、和歌山県出身というわけではないようです(しかも、お名前をネットで検索してびっくりですが、「ご当地」や「地下」の枕詞なし=本物の元アイドルという規格外3S玉級の強力さ)。
と言いますか、公式サイトを拝見したところ、こちらの有吉さんをはじめ近畿地方採用の方は、見事に京都のミス有名大学級の女子学生で固められております。つまりJAありだの地域はもちろん和歌山県在住在学の人は誰もおられないわけでして、そこは下剋上何でもアリの大都市圏や東日本で宣伝と販路開拓で凌ぎを削ってきた選果場さんの厳しい目でシビアに選りすぐられた、いわばハヤシフルーツさん特選みかん級の既に信頼実績の好感度折り紙付きの大使さんたちでなのでありました。
有田みかん大使も当初は「県内在住・出身者」で地味な活動をしていたところ、その後「近畿2府4県在住」に拡大してブレイクし、そして今年の居住地制限撤廃に至っています。和歌山県産のみかんを売るために、みかん大使は「和歌山県産」(出身)であって欲しいというこだわりを捨てることができるか? そのような選択を迫られた主催者さんが下した決断に真剣さを感じます。
ということで、経営形態も文化も販路もブランドもバラバラだった各選果場さんが、いざ結束すると、とてつもないパワーを生むのだなあとまたしても深く恐れ入った当サイトなのであります。🍊
一方でライバルみかん産地の全農県本部さんでは、今でも農協目線の「今回はどこの農協の職員からみかん大使を選んで折り合いをつけるか」から発想が抜け出せず、有力農協は「みかん大使枠」を獲得することに労力を割いてしまって、大都会や東日本での宣伝のことなんか、その次の次のことなんでしょうねえ。でもしばらく「報道カメラの前と地元以外では消費者と接触しないみかん大使」に後退したまま地産地消を頑張っていただくことも悪くないかな、そこで何か見えてくるかも。
各公式サイトによりますと、2018年度の応募者数は、6代目の有田みかん大使は過去最多の86人で、60代目にもなる愛媛みかん大使の78人を抜きました。もし有田みかん大使の首都圏での採用が来年度以降も続くのであれば、その差はさらに広がっていくような気がし、それは同時に大都会での販促力の伸びの勢いに直結するのではないかと想像します。