長井あやめ公園(山形県長井市)

長井あやめまつり(2017年)その2

平成29年度長井あやめまつり
2017あやめにぎわい市
主催 あやめにぎわい市実行委員会 長井市観光協会 長井市
日時 2017年6月24日(土)9:30-16:00
   2017年6月25日(日)9:30-16:00
場所 長井あやめ公園(山形県長井市横町5-1)
交通 あやめ公園駅(フラワー長井線)歩2分
平成29年度フラワー都市交流連絡協議会総会
場所 長井市民文化会館(山形県長井市館町北5番10号)
交通 南長井駅(フラワー長井線)歩12分
 
 おことわりですが、平成30年度ではありません。この記事は平成29年度の「長井あやめまつり その1」の続きの「その2」であります。
 

 あやめ公園でハナショウブの古品種について勉強させていただいたあと、「道の駅 川のみなと長井」で写真を撮っている際に案内されたしかるべきところに向かったのであります。
 

大野町の宇佐美晃三町長(左)とおおの親善大使の河村梨花さん(長井市民文化会館)(長井市民文化会館)
大野町 宇佐美晃三町長 おおの親善大使 河村梨花さん
 
 その会場で行われているのは、観光地の抱える課題についてのシンポジウムかパネルディスカッションなのだろうと想像していていたのですが、そのような堅苦しいものではなく、「我がまち紹介」という各市町さんの花卉の観光への活用事例とその効果を披露する、いわゆるお国自慢が行われていたのであります。

 
おおの親善大使の河村梨花さん(長井市民文化会館)
 第8代おおの親善大使 河村梨花さん

 しかも、登壇されるのは各市町とも市長または副市長、あるいは観光協会長とトップ級、すべて美しい衣装を身にまとったプロモーションガール付きという豪華な体制であります。
 
 
フラワー都市交流連絡協議会に参加された各都市の首長級幹部とミスの皆さん(長井市民文化会館)
 
 ただし、ここではミス、観光大使、キャンペーンレディーというような表現を使わず「観光推進員」という肩書を名乗られるご当地さんがあり、司会におけるこれらのお嬢さん方を総称する一般名称としての呼称も、例えば「各地の観光推進員の皆さん」のような使い方をしておられ、役割やお仕事の内容を正確に表現したよい呼称だと思いました(が、そのような適切な用語は得てして普及浸透しないのが世の常)

あやめ娘(長井市)の長井小町さん(長井市民文化会館)
 長井市 あやめ娘 長井小町さん

 「道の駅」で各市町からの使節団の接遇に活躍されていた市職員のこちらの方も「我がまち紹介」のMCに回ります。

 以降、いずれもご氏名は公開しておられるのですが、ご本人または主催団体さんにて個人SNSにお名前が載ることに判断を保留あるいは躊躇しておられると感じられたケース、あるいは当ブログの判断でお名前は出さないほうが良いであろうと考えた方については、お名前を記載しないことといたします。
 
 なお、写真の掲載につきましては、この時点では一部にご判断を保留されていた方もおられましたが、最終的には承諾をいただいております。と申しますか、1年後に主催団体さんを通じてご了解をいただけたケースがありまして、この記事が1年遅れになっているのも、そのような事情によります。

 
萩観光小町の江山理恵さん(長井市民文化会館)
 2016萩観光小町 江山理恵さん
 
 萩観光小町の夏服の制服には帽子が含まれていません。これは他のご当地でも見られるようになってきましたが、夏用の帽子は飛びやすい、痛みやすい、白いものは変色しやすいと、何かと取り扱いに難があるようでして、とにかくかさばって荷物になるのが悩みの種だそうで、いろいろご苦労が多そうです。
 
 
砺波市の観光資源をPRするプリンセスチューリップの島田万由さん(長井市民文化会館)
 2017プリンセスチューリップ 島田万由さん(お名前は砺波市公式サイトでは「万由子」ですが、当ブログでは現地での紹介時の表記に従い「万由」としています。)

 このように豪華に集われる「フラワー都市交流連絡協議会」とは何ぞやと、帰ってから各市町さんのウェブサイトから猛烈に調べあげたのですが、砺波市の呼び掛けで1983年に4市町(砺波市・長井市・下田市・和泊町)でスタートしたものといいますから、実に四半世紀もの歴史があることになります。
 
 
下田市のあじさい祭をPRする下田フラワーミッションさん(長井市民文化会館)
 下田フラワーミッション Oさん
 
 こちらの下田フラワーミッションも、その公募がされていたフラワー都市の発足当初から、あるいは、下田フラワーミッションのさらに前に下田市に存在していたと伝えられるミス黒船の時代から参加しておられたのでありましょう。
 
 国交省のサイトによると目的は「花によるまちづくりを行っている都市を結びつけ、連携交流を促進する」とあります。噛み砕きますと、各市町がお金を出し合って、持ち回りで年に1回協議会の総会を開いて各市町の花によって創出した観光資源のPRを行うとともに、各市町からの大勢の訪問団を物産展や花を題材にした催事で盛大に歓迎して、その年の総会開催地にお金を落としていって貰うというものです。

フラワー都市交流連絡協議会に参加している地方公共団体(2018年度時点9市町)
市町名 シンボルフラワー 「観光推進員」の呼称
中富良野町(北海道) ラベンダー ラベンダーフェアリー(非公募)
長井市(山形県) あやめ あやめ娘(非公募)
須賀川市(福島県) ぼたん 2008年限りで脱退
砺波市(富山県) チューリップ プリンセスチューリップ(公募)
越前市(旧武生市 福井県) きく 2009年限りで脱退
大野町(岐阜県) バラ おおの親善大使(公募 注2)
下田市(静岡県) すいせん 注1 下田フラワーミッション(非公募)
宝塚市(兵庫県) すみれ サファイア(公募)
萩市(山口県) つばき 萩観光小町(公募 注2)
久留米市(福岡県) つつじ 久留米市親善大使 注3(非公募)
和泊町(鹿児島県) ゆり おきのえらぶ島観光大使(非公募 注4)

(砺波市、須賀川市、越前市の公式ウェブサイトほかによる)
注1: 下田市が制定している市の花は「アジサイ」であるが、交流都市として参加する場合のシンボルフラワーは「すいせん」としている。
注2: 公募のみでの応募者獲得が困難な場合は公募・非公募併用の場合があると見られる。
注3: 正式には単に「観光推進員」で、タスキの表記以外には「久留米市親善大使」の呼称は一切用いられていない。
注4: 知名町側は公募されていた時期もあったが、事実上は和泊町側(近年は毎年1名選出)・知名町側(同)ともに非公募と見られる。

久留米市親善大使の観光推進員さん(長井市民文化会館)
 久留米市親善大使(観光推進員) Sさん
 
 これでようやく理解できつつあるのですが、「あやめ娘」「下田フラワーミッション」「久留米市親善大使」の衣装タスキ肩書は、ほぼフラワー都市交流連絡協議会のためだけに、各市が女性職員から選出することによって存続させているものではないかと、そのように推測できます。
 
 
和泊町の「おきのえらぶ島観光大使」今榮歌菜子さんと下田市の下田フラワーミッションさん(フラワー都市交流協議会)
おきのえらぶ島観光大使 今榮歌菜子さん 下田フラワーミッション Oさん
 
 下田フラワーミッションは公募の時代もあったようですが、現在は、「フラワー都市」以外の場面で観光PRを行うことはないようでして、いや、正確に言えば、私服で市職員として地域の観光催事を支えているということになりましょう。
 
 
おきのえらぶ島観光大使の今榮歌菜子さんと和泊町の前田修一副町長(フラワー都市交流協議会)
おきのえらぶ島観光大使 今榮歌菜子さん 和泊町 前田修一副町長
 
 長らく和泊町からは「えらぶゆり観光大使」がお出ましになっていたようですが、近年は同観光大使と知名町の「ミス知名」と統合した「おきのえらぶ島観光大使」が来られるようになっています。しかし、ここに来られるのは当然ながら「フラワー都市‥」に参加している和泊町側で選出された方のみで、知名町側で選出された方はお越しになることはないと考えられます。(追記)その後、知名町在住で選出されても、和泊町の訪問団の一員としてフラワー都市‥に参加する可能性があることが判明。

 なお、こちらの今榮さん、フォトウェディングで沖永良部島を訪れるカップルの観光客を羨ましく思っておられるとのことで、「素敵な王子様のお越しをお待ちしています」と発言し会場を沸かせておられました(笑)。あれから一年、素敵な王子様との出逢いはありましたでしょうか。
 
 
宝塚市の「我がまち紹介」(長井市民文化会館)
 牡丹(ぼたん)で有名な須賀川市(福島県)でありますが、現在はフラワー都市には参加していません。しかし、須賀川市の牡丹は、宝塚市にあったものを接ぎ木で移植して増やしたものと伝えられておりまして、須賀川市の脱退と前後して宝塚市がフラワー都市に参加しています。
 
 
宝塚市の井上副市長と宝塚市観光大使リボンの騎士サファイアの瀧浪麻奈さん(長井市民文化会館)
宝塚市 井上副市長 宝塚市観光大使リボンの騎士サファイア 瀧浪麻奈さん
 
 ‥というマニアックなネタまで提供してくれるありがたい宝塚市の「我がまち紹介」であります。
 
 
中富良野町のラベンダーフェアリーさんと萩観光小町の江山理恵さん(フラワー都市交流協議会)
 中富良野町 ラベンダーフェアリーさん 萩観光小町 江山理恵さん

 こちらの方々は所属がそれぞれの観光協会ということでお話が弾んでいたようでありました。ラベンダーフェアリーについては別記事のその2でちょっと触れるかもです。

 ということで長くなりましたが(場所が「長井」だけに)、長い歴史を持ちながらも9市町の行政・観光・花卉関係者以外にはマイナーな豪華絢爛な催事に度肝を抜かれたのでありました。
 
 
(おまけ)
 なお、フラワー交流都市発起人の都市である砺波市さんがお手本を示しておられますが、
 
 
壇上に上がる砺波市の夏野修市長を支えるプリンセスチューリップの島田万由さん
‥壇上に上がるときには、このように手を取り合い、
 

降壇する砺波市の夏野修市長を支えるプリンセスチューリップの島田万由さん(長井市文化会館)
‥壇上から降りるときにはこのように腕を組むのが、
 
 
降壇する砺波市の夏野修市長を支えるプリンセスチューリップの島田万由さん(長井市文化会館)
‥四半世紀の伝統を持つフラワー都市のスタイルだそうです。
 
 
壇上に上がる大野町(岐阜県)の宇佐美晃三町長を支援する「おおの親善大使」河村梨花さん(長井市民文化会館)
 他の市町さんも、それに従っておられるようであります。

 ちなみに、某市長さんによりますと、頭の上がらない超ベテランの市議会議員さんから事前に「お前もちゃんとミスに腕を組んで貰えよ」と圧力を掛けられているとのことです(笑)。
 
 
 ところが、一方では、おやおやおや、
 
 
登壇する橋本政孝副市長と久留米市親善大使さん(フラワー都市交流協議会)
‥久留米市さんは、かなり距離が空いているようであります。これには会場からおいおいと不規則発言が。
 
 
我がまち紹介で登壇した久留米市の橋本政孝副市長と久留米市親善大使さん(長井市民文化会館)
久留米市 橋本政孝副市長(当時) 久留米市親善大使 Sさん
 
 副市長さんは「観光推進員のSさんは当市の昨年の新入職員で上司と部下の関係であることからあらぬ疑いを招かないよう‥」と弁明に追われていました(場内大ウケ)。腕を組めばセクハラ、離れれば意気地なし息の合っているところを見せろと野次の飛ぶ、この催事での登壇は堅物のトップ級の方にはちょっとした試練なのかも(笑)。
 
(追記)
 フラワー都市交流連絡協議会についてさらに詳しく知りたい方は、翌年の下田市(静岡市)での模様をご覧ください。